結構前に書いた記事にコメントが付いていたので、こちらで返信。文字数オーバー必至なので、記事でアゲ。
前の記事はこちらで参照。
破壊魔定光 最終回 感想文
>母親の死で本来なら母親が生み出した二人も消えるはずなのですが、
>死の引き金がこの二人であるため消してしまうと
>パラドクスを生じさせてしまう。
>故に二人は消滅せず、しかし矛盾がないように椿定光と神代やよいではない
>「サダミツ」と「ヤヨイ」になった、ということではないでしょうか?
実は前の記事を書いた雑誌掲載分まで、その内容で良かったと思うのだが、問題はコミックのエピローグ。
コミック12巻目の表紙からすると変質崩壊は消えたが、エピローグの定光からすると、どうも今迄通りの定光らしい。主人公自身もこの事について、不思議に思っている様なセリフを吐いている。これは一体、どういう事なのだろうか?
・・・という訳で理由を考えてみたw
まず、平行世界の特徴として科学者定光「アノン」との会話を思い出してみる。
平行世界でパラドクスが生じた場合、この漫画の宇宙では変質によって結果が一致する様に物事が改変されてしまう。
実の所、平行世界が存在する宇宙では時間を基準としたパラドクスは起きなかったりする。矛盾が生じた部分は「別の平行世界」と言えば解決してしまうからだ。アノンとのやり取りで破壊された薬瓶がまた別に現れたのは、結果に合う平行世界が自動的に選択されたとも言える。
但し、この薬瓶が元の状態に戻った世界が選択された理由というのは、破壊魔定光が現在も変質崩壊せずに生きている事──「定光」についての「辻褄合わせ」として起こったのだ。
(瓶が変化した場合、瓶についての記憶も一緒に変わる筈なので、気付かない気もするのだが、そこまで描くと漫画的に非常に分かりにくい説明が必要になっていたと思うので、とりあえず無視w)
エピローグの「サダミツ」が今迄通りの定光なのは何故だろうか?
自分を産む前の母の死で、変質崩壊の原因は無くなったが、定光自身の存在自体も不確定になり、例えば別の世界で別の人生を歩む定光というエピローグになっても良いのに、何故変わってないのか? 何に対してこの結果の「辻褄合わせ」が起こったのか?
考えられる理由としては一つ。母親以外に今の定光を確定させる要素がある事。
定光は母とTFPが消える瞬間に「3人で遊園地に行きたい」と言った。3人目とは? 最後に笑顔になったのは誰か?
コオネだ。
コオネの前身である「コオネ=ペーネミュンデ」はナチスに囲われていた時、定光の存在を予知していた。「ポンコツ」を装着した定光の絵を描いていた。
同じナチス出身の「狗隠」のセリフからすると、コオネはその定光に会う為に、死んだ後にも超能力で再生し、定光を待ち続けた。ポンコツで変身した定光といずれ出会える事を確信していたのだ。
これはそんなコオネに対する「辻褄合わせ」の物語なのだ。
・・・とか考えたのだが、まあ、あんまり理屈で考えても面白くなくなってしまう漫画なので、参考程度に捉えて下さい。
ここの所、雑誌で不確定性原理について新しい観測の仕方を記事で読んだり、平行世界がネタにある小説を読んだり、物語がシュレーディンガーの猫状態のアニメ(DARKER THAN BLACK)を観たりとかして、何となく書きたくなっただけだったりするw