6月の映画はこれ! 「戦国自衛隊1549」!
・・・まあ、Zガンダムとかリング2とかもあるが、Zは3部作で、昔とある事情でリアルで観れなかった私が、わざわざ一本ずつ観る程思い入れ無いし、リング2は公開したばかりだったので、単に順番の問題でコレを観る事に決定・・。注目作は7月からだしねえ。
平日に観に行ったので、当然ガラガラですわ。元々子供が観に来る映画じゃないから、騒がしくもならんが、相変わらずビニール袋をガサガサさせる奴が居ます。いつも観に行く映画館は館内販売物の飲食はOKなのだが、最近はポップコーンを途中でこぼさない為にビニール袋を付ける馬鹿なサービスを始めてしまった。いつも餓鬼の多い特撮物中心で映画をみてるので、少しくらい騒がしいのは別に気に止めないのだが、大人が騒がしいのは我慢なりませんわ。普通はビニールを取って食べるのだが、そのままで上映中に延々とガサガサされて、さすがに私の限界を超えやがりましたので、注意する羽目に。
それで本題の内容ですが・・・あ~、タイムスリップ物のパターンの一つ、歴史の「修正力」ですか。タイムパラドックスの解決手段として、「平行世界」と「歴史不変」があって、今回の映画は後者に沿って進むのだが、実の所、それは人間の視点による「人間の歴史」だけの問題。過去に物質なり情報なり、その世界に存在しえない物が現れた瞬間にバタフライ効果で全ての物質の配置が順次変わっていってしまう。平行(分岐)世界はあるかもしれんが、歴史を変えた事で徐々に未来が崩壊したり、元に戻ったりなんてありえないとか思っております。
・・・まあ、そんな事言っちゃうと大部分のタイムスリップ物を全否定する事になって興醒めなのだが、問題の理屈はこの際置くとして、かなり適当な展開でも「歴史の真実」とかいう言葉で、物語としての完成度が低くても全て許されてしまうのが、ちょっと気に入らないんですわ。
・・・また本題から逸れたので元に戻して、ようやく感想。
最近の日本特撮はオープニングの出来がかなり良くなってきています。話の導入部で周りを戦国の軍隊に取り囲まれる自衛隊。そして入れ替わりに現代にやってきた侍。期待させてくれますわ。この侍が重要な役柄な訳だが・・・北村一輝かよ。私がこの人で覚えているのは、NHK大河ドラマ『北条時宗』で「メラメラ」と擬音付きでキレる平頼綱と、『ゴジラ・ファイナルウォーズ』のX星人のお言葉「ガ~イガン、起動!」とか、かなり濃い物ばかりだわ。脇の席の女の子が北村が登場する度にクスクス笑うのは、勘弁してほしい(TT)
昔の「戦国自衛隊」のエゴ丸出し千葉真一部隊ならともかく、江口洋介や鹿賀丈史等の自衛隊員じゃ、喰われてしまいますよ。それにあえて対抗できるとしたら、伊武雅刀が演じる斎藤道三。凄いぞ、道三! 斬られても、槍で突かれても、銃で撃たれても、さらには城から落ちようが立ち上がる不死身の戦国武将! さすがマムシと呼ばれた男!! まあ、あそこまでやられた奴も居ないかw
前作「戦国自衛隊」とはかなり時間が経過しているので、「戦国時代」「信長」「自衛隊」のキーワード以外の部分は、オリジナルの内容で撮影されているのだが、「原作」福井晴敏らしく、軍事部分での補強がされています。タイムスリップの原因、戦国時代での陸自の戦闘方法、補給の問題、帰還方法、そして歴史を変える切り札までと、全てに対して用意されてあります。そしてこないだ上映された、福井原作の「ローレライ」でもあった「軍人(自衛隊)としての本分」の要素も盛り込まれている。まだ小説版を読んでないが、どこまでを映画で再現したのかな。最近のCG技術の進歩のおかげで、かなり無茶なシーンも再現出来る様になってるが、小説「終戦のローレライ」では映画用原作であったにも関わらず、あまりにも要素を詰め込みすぎて、あちこちカットして撮影したからなあ。後で読んでみるかな。
上映後の視聴感は良くも悪くも「ローレライ」と同じ。映像としての出来は良いし、細かい部分までのこだわりがあるが、何か物足りなささえ感じるアッサリとしたストーリーライン。いや、ストーリーというよりも、登場人物に「善人」が多い感があるからか。今後に上映される映画次第だが、「福井映画」とでも呼ぶべき特徴になるのかな。