ちょっと前に読んでいたハヤカワ文庫のSF小説
「断絶への航海」で、お金という取引媒体を使わない移民惑星の社会が描かれていた。
食料の増産、製品の供給は全て機械の管理で不足が無く、移民し始めたばかりの惑星なので、土地も余っている。尚且つ、初期の移民者は現地に運ばれた物質からDNA生成を行ってクローン培養された人間だった。機械が教育を行った関係で、特定の民族や文化的背景も持ってなかった為、金や権威という概念がそもそも育たなかった。
つまり「戦争」の原因となる要素を無くした人間達なのだ。
じゃあ、その社会の人間の価値──評価基準って何なの? と思うが、それは純粋に各々の人間の能力と、社会への貢献度に左右されるとか。
・・・そんな社会って、人間同士でそもそも成立するのだろうか?
金と権威にはマイナス要素はあるが、物事をうまく運ぶ為に生まれた物。それを個人の能力──スキルに置き換えるなんて・・・
・・・いや、無い事も無いか。仮想現実の世界だ。
コンピュータ上で作成されるプレイヤーキャラは、放置しても死なない(もしくは死んでもすぐ復活出来る)環境で生活し、外見も好みにあわせて変えられたりする。サーバ上の運用環境を統一する為、プレイヤーが動作させる基本システムも統一されている。
ネットゲームの場合は、多くはその人のレベル数やスキルの多彩さ、もっと自由度の高いセカンドライフ等なら、創作物が主に個人の評価基準となる。
・・・でも、頻繁にプレイヤー同士が喧嘩してたりするよなあw
──という長い前置きはさておき、最近はXbox360で、
「Fable3」をプレイ中~。
昨年プレイしてた
「Fable2」の続編ですわ。
前作の売りは「善人」と「悪人」の両方プレイ出来る部分だった。
それとこのゲームの特色として、「不動産」の売買や賃貸があり、戦う以外でも金稼ぎの手段があるという事。
ちなみに冒険で必要な装備やアイテムを買うだけでは、かなりオーバーな稼ぎが出てしまう。じゃあ、何の為に稼ぐかというと、特別に高い屋敷がいくつか存在し、その屋敷にはそれぞれダンジョンが付いてくる。そこに入る為に稼いでいたと言っても過言ではないw
・・・という訳で、前作は城に付いてくるダンジョンの為に、玉座を手に入れた結果となった。
「金」で「権威」を買い取ったのだw
前作で玉座に付いた私は、その王位を息子に継いだ。それが今作の「Fable3」だ。
まあ、息子に継いだのは良いが、その息子が国民に重税をかけて軍備を増強し、粛清の嵐を始めた。
──駄目だ、こいつ!? 早く替えないと。
そこで、その妹に期待する事にした。それが今回の主人公。まあ、「弟」じゃなくて「妹」だったのは気にしないで欲しい。単に私の好みだ。
思ったより短い冒険期間で反乱勃発、政権奪取まで達成してしまったのだが・・・そこで問題が。
兄王がそもそも無茶な政策を始めたのは、海の向こうで闇の軍勢の侵攻が始まったのが原因だった事が発覚。
私が改めて玉座に付いたのは良いが、反乱の協力者と既に色々と公約を結んでしまっていた。
約束を破るのも私のポリシーに反するので、重税を軽減し、疲弊した街の復興、そして労働環境の改善。ついでに国民の人気取りに減税と、荒廃した街の治安強化に人員を増加した。
──等と、非常に聞こえの良い政策決定を繰り返したのだった。資金は国庫で賄う方針で。まあ、ちょっとくらい赤字国債出しても良いでしょ。
えーと・・・。1年後に王国滅亡は必至?
い、いかんっ! 仕方ない、こうなったら・・・。
海賊王に俺はなるっ!
不動産王に私はなるっ!
実の所、闇の侵攻まで365日という期限は、あくまでも順調に私が政務をこなして行った場合の見積もりだ。逆説的に、私が政務をほったらかしにすれば、期限は先延ばしされる。(倒置)
──そのタイムラグを利用して、金を稼ぐんや!
まずは露店や! 安い上に修繕費用は店主持ちなんで、コストがかからんわ!
勿論、上前頂くで~!!
金が溜まったら次は安い物件をどんどん買うたれ! そして片っ端から貸し出すんや!!
修繕費用はかかるが、そんなもん、後からナンボでも取り返せるっ!
金がぎょうさん溜まってきたら、購入費用が高いが、収益も高い商店をぼんぼん買いやっ!!!
後はもう、買って買って貸し捲らんかいっ!!!
・・・という、国民に気付かれずに実質的には二重税制を推し進めた結果・・・
さあ、かかってこんかいっ! 闇の軍勢!!
(金)目に物言わせたるわっっ!!!