特撮・アニメ・ゲーム等々、鳴神の趣味に染まったお絵描きブログ! 最近、爆裂的に消沈気味!!
by narukami_x
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麻生俊平 「VS -ヴァーサス-」、ザンヤルマ、ミュートスノート対比


結局、「VS -ヴァーサス-」の最終巻は近くの本屋では見付からなかったので、衡鏡氏に借りて読みましたわ。
出版されて間もないのに、さっぱり無いのは売れる分しか刷らなかったって事だな・・・。読んでる人少なさそうなので、とりあえず自分用に、感想を纏めておくか。
途中で終わった作品の感想を普通に書くと、愚痴ばかりになりそうなので、麻生氏が富士見ファンタジア文庫で書いた3つのシリーズ小説を、それぞれ対比させてみる。何でその3つかというと、私的に「ヒーロー」しているのと、話の構成に共通する部分があるからだ。

1つ目は麻生氏の代表作である「ザンヤルマの剣士」。超古代文明の遺産を謎の老人に授けられた少年が、同様にばらまかれた遺産によって暴走する人々を止める話。「ライトノベル」という名前が定着し始めた頃の作品で、ファンタジー・SF系の多かった当時の富士見の中では、舞台が現代日本と相まって異色作と言える。
2つ目は「ミュートスノート戦記」。事故的に手に入れてしまった変身能力で、それを取り戻そうとする巨大組織と戦う主人公。正統派に近い変身ヒーローだが、やっぱりちょっとガイバーを連想してしまう内容。人気の高い同人作家、七瀬葵が挿絵を入れた事で話題になってたかな。微妙な組み合わせという意味でw
3つ目が今回読んだ「VS」。体系外技術(アウトフロー)を使うテロリストに家族を害され、それと戦う為の力を手に入れた事で警察組織に属する事になった主人公。構想時期と主人公の変身体「V1」という名称から考えると、やはり「仮面ライダーアギト」のG3チームがモチーフなのか?

それぞれの作品に共通している事は、現代社会で生活する高校生の主人公が、超兵器を駆使して、謎の存在に立ち向かうという構図。高い文章力で主人公の戦いに対する内面の葛藤を細かく描いている。
・・・もっとも、麻生俊平のこの3作品に共通する最も強い特徴は、戦いに対する主人公の姿勢では無い。
ザンヤルマの剣士、矢神遼は普段はおとなしく、事に当たっては迷いがちな少年だが、守りたい者を見定めた時は、自分の身を顧みずに戦いに飛び込み、一歩も引かない意志を持つ。イレギュラーの人間兵器となった穂村響は、自分の身と周囲の人間を守る為に、時に叱咤されながら過酷な戦いに堪え忍ぶ。警察の超科学特殊捜査班に配置された「V1」鷹匠次郎は、感情に走るあまり暴走しがちで、周囲の人間に諭されながら任務をこなす。
この様にそれぞれの作品で、主人公の戦う姿勢と意味は違っている。
───じゃあ、何が共通しているのかというと、私が思うに主人公の「サポート」役が居る事だと思う。

矢神遼には、いとこで帰国子女のヒロイン、万里絵のサポートがある。女だてらにサバイバルに長けていて、遼よりも百倍くらい肝が据わっている少女。穂村響にはいかなる時にも冷静沈着に対応する親友、滝沢聖也のサポート。時には冷徹に、そして時には熱く響を奮い立たせる。二人とも特殊能力を持たない一般人だが、主人公に的確な指示と戦いへの方向性を与えてくれる。
ただ鷹匠次郎のサポートはちょっと違う。V1のパートナー「S1」であるヒロイン、水城蒼は出会った時から改造人間。戦う技はともかく一般常識と感情に著しく欠けている。S1の実戦本意な発言に面食らったり、司令の悪魔的説教に反発したりするが、同僚達のサポートがV1の超感覚能力をフルに活用し、法を遵守する戦士として叩き上げる。
この違いは主人公と敵との関係から生まれている。ザンヤルマでは「遺産」持つ者同士の『個と個』の戦い。ミュートスノートでは主人公と秘密結社の『個と多』。VSでは警察組織対各個活動するテロリスト集団で『多と多』の構図で作品毎の特徴を持たせている。
ただ、いずれのサポートも、主人公が一人では見えなかった部分を認識させ、戦い方に変化を与える要因となっている事で共通していると言える。


あ~・・・それにしても、やっぱりVSが5巻で打ち切りは惜しいな。VSの敵であるアウトフローのテロリストは、それぞれが対立して競争している様な節がある。そして鷹匠の上司である司令のセリフからすると、特殊捜査班自体もその一つである事を匂わせている。主人公とヒロインの関係には一区切り付いているが、一連の事件の重要な部分は謎のままなんだよな・・・。
ミュートスノート戦記の時にも言われてたが、麻生俊平は話の面白さにエンジンがかかり始めるのが遅い。その分しっかりとした話の構成をしてくれるけど、ライトノベルとしての売り上げは伸び悩んじゃうので、そもそも続巻が書けるか怪しくなるんだよな・・・。ただでさえ「ラノベにしては本が厚すぎる」とかも言われてるんだから、そこら辺も自覚してもらって新作に期待しますか。
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by narukami_x | 2005-08-12 02:36 | 趣味全般
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